交通事故に遭遇した時の対応 わかりやすい初期対処 基本編!!
「交通事故に遭遇してしまったら?」
こんな事考えたことありませんか?
たまたま遭遇した時、
逃げたくなる場合もあるでしょうが、
そうはいかない時もあります(/ω\)
大事な人だったら?
率先して助けたいですよね( `ー´)ノ
交通事故に遭ってから、
病院に運ばれる前の1時間は、生命に影響を与える大事な時間です。
また、二次被害が起こりやすい環境でもあります。
ここでは、医療者でない方でもわかるように、わかりやく説明しています。
交通事故に遭遇した時の対処 安全確保
まず、大事な事は、冷静になること!!です。
冷静でなければ、冷静な判断が出来ません。
空回りしちゃうこともあります。
現場で最初にやるべき事は、安全確保です。
交通事故に遭った方と救助者である自分の安全確保です。
助けている間に、ご自分が交通事故に遭ってしまっては元も子もありません。
事故車は、
・爆発する可能性
・感電する可能性
・車が横転して下敷きになる可能性
・車がぶつかったものの倒壊
があります。
これらの安全確保が出来ない場合は、
傷病者に近づいてはいけません。
そのため、一番初めに行うことは、警察へ通報しているかの確認です。
通報していなければ、通報しましょう。
通報した場合は、
警察の方に聞かれたことを答えれば良いだけです。
「何聞かれるのかな?」など心配することはありません。
内容として、
・交通事故が起こっていること
・場所
場所が分からない時は、交差点の名前や電柱に書いてある場所、周囲に何があるか?を伝えましょう。
・どんな事故か?
「車と車の正面衝突です」「ガードレールにぶつかっています」など
・傷病者がどんな状態か?
「道路に放り出されています。」「車にひかれて血が出ています」などがあります。
警察へ通報すると、救急車と消防車、場合によっては、ハシゴ車などがやってきます。
警察に通報している間に出来ることは、
・発煙筒
・三角表示板
の利用です。
周囲の方に、交通事故が起こっていることを知らせましょう。
交通事故に気付かずに、二次的被害が起こることがあります。
ニュースでも、時折ありますよね。
特に交通量が多い道路では、気を付けて行ってください。
ご自分の命が一番です。
交通事故に遭遇した時の対処 傷病者への応急処置
警察への通報が済み、
傷病者と救助者である自分の安全が確保されている時に行います。
(交通事故を起こした車が傍にない場合)
初期対応⓵ 傷病者に近づく
倒れている傷病者に近づきます。
この時大事なのは、首の骨(頚椎)の保護です。
交通事故では、
身体を強く打ち付け頚椎損傷を起こしていることがあります。
頚椎損傷を起こすと、身体の麻痺が起こります。
場合によっては、首から下が動かなくなることもあります。
倒れている人は、すでに頚椎損傷を起こしているかもしれません。
また、
首を動かすことで、頚椎損傷を起こすかもしれません。
そのことに、注意して行動できた方が良いでしょう。
傷病者に近づく時、
意識がなければ振り向くこともありませんが、
意識がある場合は、近付くと振り向いてしまうことがあります。
そのため、
近づく時には、
「首を動かさないで!」
とか、
「振り向かないで!」と言いながら近づいた方が良いです。
もし、救助者が2名いたら、
1名は、頭と首をそのままの形で支えましょう。
頚部は、動かさない方が良いです。
1名は、状態の確認(下記項目)に進みます。
自分しかいない場合は、状態の確認を行います。
初期対応⓶ 意識の確認
傷病者に近づいたら、意識の確認をします。
肩を叩いて「大丈夫ですか?」などと声をかけます。
目を開けたら、「うー」など声が出れば意識はあるも判断出来ます。
意識があれば、呼吸しているし、心臓も動いています。
この場合、「初期対応⓸の出血の確認」に移ります。
意識がなくても、この時点では、何もする事はありません。
意識がなかったという状態であったという情報が重要です。
初期対応⓷ 呼吸の確認をする
意識がない場合、呼吸の確認をします。
呼吸しているかどうかは、
傷病者の口の傍に、自分の耳を近づけ
傷病者の胸の動きを見て、
傷病者の胸の上の方に手を当てます。
と、ちょっと難しそうに言いましたが、
呼吸しているのかが分かれば良いです。耳を口元に持っていけば大体分かります。
ここで、ワンポイント!!
呼吸は「吸って吐いてー」を繰り返しています。
呼吸が弱い場合は、
耳を近付けても、呼吸をしていない時間があるかもしれません。
すぐに、「呼吸していない!!」と思う方もいます。
10秒程度は確認しましょう。
呼吸していない場合、気道確保をします。
気道確保というのは、
口から肺に続く気道を広げて
呼吸をしやすくしてあげることです。
気道確保するだけで、助かる命もあります。
通常は、頭を後ろに後屈して、口を開けさせるような体勢をとります。
しかし、交通事故の場合は、首を後屈することで脊椎損傷を起こすことがあります。
ここでは、思い切り後屈させず少しづつ後屈させて、呼吸が出来た時点で後屈させるのはやめましょう。
医療者の場合は、下顎挙上や下顎引き上げという気道確保をします。
(頚部後屈しない方法です、)
脊椎損傷と生命では、生命の方が大事です。
脊椎損傷は可能性ですが、呼吸は出来ないと命を落としてしまいます。
いきなりガクッと頭を後屈させず、優しくスピーディに行いましょう。
呼吸をしていれば、心臓は動いています。
呼吸をしている場合は、
「初期対応⓹ 出血の確認」に進みます。
気道確保しても呼吸をしない場合は、
「初期対応⓸ 心拍の確認」へ進みます。
初期対応⓸ 心拍の確認
脈があるということは、心臓が動いていることを示しています。
普通に手首で脈を確認しても良いのですが、
意識がない場合は、重症が予想されます。
そのため、一番触れやすい頸動脈で確認しましょう。
頸動脈は、
喉ぼとけから首の後ろの方に手をずらした窪みの部分にあります。
呼吸を確認しながら、同時に頚動脈に触れることで、呼吸も脈も確認することが出来ます。
難しい場合は、ひとつひとつ確認で問題ありません。
心拍がある場合は、
「初期対応⓹ 出血の確認」に進みます。
心拍がない場合は、
即心臓マッサージを行います。
応急処置⓹ 出血の確認
生命に支障をきたす出血には、
・手足や首からの出血
・腹腔内出血
(臓器破裂や付近の動脈からの出血)
があります。
救急車が来るまでに
対処できることが出来る出血は、
目に見える出血です。
出血の確認は、全身行います。
頭から足先まで、ざっと見ます。
洋服を脱がせる必要はありません。
生命に影響する出血があれば、概ね目に見えています。
もし、冬場でコートやセーターなどを着ていたら、
前を開いて確認しましょう。
出血している部分を見つけたら、
その部位の圧迫をしましょう。
圧迫して血液が外に出るのを防ぎます。
動脈からの出血の場合、
ドクドクと出てきていることが多いです。
静脈からの出血の場合、
じわーっと出てきていることが多いです。
どちらにしろ、
止血する必要があります。
止血方法として、
タオルなどを当てて圧迫します。
それでも、ドクドク血が出る場合は、
出血している部位より心臓に近い部分を縛ります。
紐は、出来れば幅が3㎝程度以上欲しいです。
結ぶものがない時は、
・ハンカチ
・ネクタイ
・ベルト
・マフラー
・ビニール袋
などで、代用しましょう。
臓器破裂やお腹の中の出血の場合、
お腹が異様にふくれます。
太っているだけのお腹と違い、
キンキンに張っている様な感じです。
これに対しては、現場では成す術がありません。
交通事故の場合、外傷があり大量出血していることがあります。
心拍がない場合の、心臓マッサージは第一選択なのですが、
心臓マッサージをすることで、出血がひどくなり、
出血性ショック(身体の血液が足りなくなり血圧が下がる)こともあります。。
救助者が他にもいる場合は、
役割を決めて(心臓マッサージする人と止血する人)行うと、より一層救助率があがります。
最後に
ちょっと難しい感じもしますが、頭で考えながら読み進めていくと、そんなに難しくはありません。
安全確保⇒頚部を動かさない様指示しながら近づく⇒意識、呼吸、頸動脈の確認⇒止血 が基本です。
救急隊が来るまでの時間なので、早ければ5分、遅くても20分以内には来れると思います。その時間に自分が出来ることを行っておけば、大事な人命を救う事につながります。
冷静な気持ちで行えるよう、日頃から頭の中でシミュレーションしておくと良いですよね(#^.^#)