gajyumaro (*´ω`*) の転ばぬ先の杖

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病気

高齢者のインフルエンザ症状、症状別対処法と受診の目安

高齢者のインフルエンザ罹患者は、
肺炎をはじめインフルエンザによる合併症の可能性が
他の年代より高くなります。
インフルエンザ関連による死亡者の約9割は、
60歳以上の高齢者です。

病院でインフルエンザと診断され、薬は処方されたものの、
自宅での生活はどうすればいいのか
不安に思っている方もいると思います。

そこで、
1、高齢者のインフルエンザの症状
2、高齢者のインフルエンザの症状への対処
について、まとめてみました。

高齢者がインフルエンザになった時の自宅での生活については、こちらにまとめてあります。

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高齢者のインフルエンザの症状

インフルエンザには、大きく分けて
季節性インフルエンザ:A型、B型、C型(小児期にかかる)
新型インフルエンザ:もともと鳥や豚に感染するものが変異したもの
          今までにないタイプとなるので大流行をする
 に分かれます。

毎年、季節性のインフルエンザが流行します。
新型インフルエンザは、症状はA型に似て(元々A型が変異)いますが、
発生した時にしか詳しい症状などはわからなく、毎年の発生はありません。
今回は、A型とB型について述べます。

【A型】
特徴  一番感染力が高い
毎年大流行を起こす
高熱、喉の痛み、鼻づまりが酷くなる
呼吸器系の合併症を起こす危険性もある
ウイルスタイプが変異しやすい
→予防接種が効かない可能性がある

潜伏期 1~5日程度(大抵1~2日で発症)

症状  突然の発熱(38度から40度に近い)
ガタガタ震えながら上昇することが多い
熱は3日程度で落ち着くことが多い
悪寒・さむけ(突然の発熱に伴い震えながら寒気があること)
関節痛・筋肉痛・腰痛
全身のだるさ
喉の痛み
咳・痰・鼻水
頭痛
熱以外の症状は、発症から7日程度で回復

【B型】
特徴  A型に続いて感染性が高い
数年に一度流行を起こす(2月から5月頃が多い)
腹痛や下痢といった消化器系に影響が出やすい
一般的な風邪症状と似ている
A型よりも症状は軽い
ウィルスタイプが変異しにくい
→予防接種が効く可能性が高い

潜伏期 1~7日程度(大抵1~3日で発症)

症状  突然の発熱(37度から38度台が多い)
高熱は3日程度で落ち着くが、その後微熱が続くこともある
悪寒・さむけ(突然の発熱に伴い震えながら寒気があること)
関節痛・筋肉痛・腰痛(高熱が出ることで起こる)
全身のだるさ
喉の痛み
咳・痰・鼻水
頭痛
胃痛・吐き気・嘔吐
腹痛・下痢
熱以外は発症してから7~10日程度で回復

重要ポイント
高齢者の方は、上記症状が軽いことが多いです。
また、症状が出ないこともあります。
高齢になると、身体の機能の低下が起こり反応する力が弱まります。
臨床現場でも、熱は微熱、軽度の関節痛のみという症状でも、
インフルエンザ陽性ということがあります。
また、微熱があり、鼻汁があり、倦怠感軽度という症状でも、
インフルエンザ陽性というようなこともあります。
インフルエンザが流行している時期に、ちょっとでも調子悪ければ、
受診することをおススメします。

高齢者のインフルエンザの症状に対する対処と受診の目安

発熱・悪寒・寒気
・発熱している間は、寒気や震えをともないます。
その場合は、身体をしっかり温めてあげてください。
湯たんぽなどを使用する場合は、低温やけどにならないよう、
肌に直接当たらないようにしてください。
高齢になると、鈍感になりますので、知らないうちに
低温やけどを併発してしまう場合があります。
・熱が一旦上がりきると、次は熱く感じるようになります。
その時は、掛物を薄くして氷枕など使用しても構いません。
身体を温めて、汗をかいて治す!と、いう方もいますが、
汗をかいても治る速度は変わりません。
身体が辛いので、体力の低下を招いてしまうことがあります。
寒い時は温め、熱くなったら涼しくして
身体に優しくしてあげてください。
・汗をかいたら、早めにパジャマをとりかえましょう。
なるべく清潔にして、かいた汗で身体を冷やしてしまうことを
防いでくれます。
→高熱が4日以上、微熱がA型なら7日以上、B型なら14日以上
続く場合は、受診した方が良いでしょう。

関節痛・筋肉痛・腰痛・頭痛等の痛み
・身体の免疫が働き、その副産物により痛みが起こります。
ウイルスが少なくなるにつれ、症状は軽快します。
特に対処策はありません。
ひどい場合には、解熱鎮痛薬(下記参照)を使用することがあります。

全身のだるさ
ゆっくり休養をして安静を保ちましょう。
ウイルスが少なくなるにつれ、症状は軽快します。

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喉の痛み・咳・痰・鼻水
罹患して3日~5日程は辛い症状ですが、
ウイルスが少なくなるにつれ、症状は軽快します。
尚、咳、痰、鼻水には、たくさんのウイルスがいます。
マスクをしたり、ティッシュは封ができる袋に入れるなど、
ウイルスが飛散しないようにしましょう。
喉の痛みに対して、辛い時は解熱鎮痛薬がやや効果があります。

胃痛・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢などの消化器症状
・主にB型インフルエンザの症状となります。
消化器症状があると、食事がとれなかったり
嘔吐や下痢などひどくなると、
電解質バランスが崩れ、脱水になりやすくなります。
→脱水症状(下記参照)があれば受診しましょう。
症状がやや落ちついている時に、少しづつ
水分摂取をするように心がけましょう。

(上記水分の補給と摂り方を参照)
水分としては、イオン飲料や経口補水液が良いです。
尚、経口補水液の方が、身体と同じ浸透圧になっており、
身体が吸収しやすくなります。
失われる電解質が多めに入っています。
但し、心臓病や腎臓病の持病を持っている方は、
電解質を管理しながら摂取する必要があります。
症状が軽ければ、摂取しても良いですが、
→症状がひどい時は、かかりつけ医に相談することをお勧めします。

・下痢がひどいと、肛門周囲が痛くなります。
これは、便が皮膚のバリアを壊しているからです。
排泄の途中でも、出たらすぐに抑え拭きをして、
肛門に便がついている時間を短くする、
最後はウォシュレットで清潔にする、
肛門と周囲にワセリンを塗るなどすると緩和されます。
・消化器症状がある間は、水分程度しか摂取できないと思います。
症状が回復しても、すぐに普通食に戻すのでなく、
お粥やうどんなど、油が少なく消化吸収しやすいものから
摂取するようにしましょう。(上記栄養の摂り方参照)
少しづつ通常の食事にもどしていきましょう。

解熱鎮痛薬についての説明
・発熱や痛み(胃痛以外)に対して効果があります。
・インフルエンザは全身痛や発熱など苦痛が大きいです。
発熱や痛みは、ウィルスと身体の免疫が戦っている証なのですが、
必要以上に苦痛を我慢すると、体力低下につながってしまうこともあります。
医師と相談してからになりますが、
発熱や痛みが辛い時は、解熱鎮痛薬を使用することも多いです。
・症状が辛い時は、我慢しすぎずに受診しましょう

・解熱剤としてはアセトアミノフェンの使用が最適です。。
・特に小児に関してですが、アスピリンなどのサリチル酸系薬剤は、
合併症の脳症の一種である"ライ症候群発症"のリスクを高める可能性があります。
ほとんどの総合感冒剤には、サリチルアミドが配合されているので、
ご自宅にある解熱鎮痛薬を、容易に使用しないよう注意してください。

脱水についての説明
脱水とは、体内の水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)が、
下痢や嘔吐、汗などにより、失われている状態です。
重症化すると、意識障害やけいれんなども起こします。
また、脳梗塞や心筋梗塞を起こしてしまうこともあります。
水分の補給だけでは、改善されません。
経口補水液で、失われた電解質を身体に取り込む必要がありますが、
ひどくなった状態だと口から摂っても、
身体が吸収しにくくなっています。
病院での点滴加療が必要となります。

脱水かどうかを見分けるための判別症状
下記のような症状があった場合は、受診しましょう。
・皮膚や口唇、舌、口腔内の乾燥、つばが少ない・口がねばつく
・皮膚に張りがない
・微熱、食欲低下、易疲労感、
・尿量が減っている(尿の色が濃い)
・体重減少
・脱力、立ちくらみ、意識障害、血圧低下、頻脈(脈が通常より早い)
・元気がない、ぐったりして反応が鈍い

まとめ

高齢者のインフルエンザについてまとめてみました。
高齢者は、身体の反応が遅かったり、脱水になりやすかったり
注意しないと入院をしなくてはいけない状態となってしまうことがあります。

高齢者は持病を持っている方も多いです。
少しでも、おかしいなと感じたら、再受診することが重要です。
私的な考えですが、
「受診して問題なかったら恥ずかしい」と感じてしまう方も多いようです。
しかし、受診して問題ないなら良かったね。と、なれば良いと思います。
おかしくなってからだと、治療が長引いたり、
最悪な結果になってしまうこともあります。
何度も言いますが、少しおかしいなと感じたら、受診しましょう。

こちらにインフルエンザ罹患者との生活のついてまとめています。
インフルエンザに感染する仕組みと予防 家族が感染した時の対応策

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