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病気

幼児 インフルエンザ予防接種の必要性 副反応 他ワクチンとの接種間隔 

2017/11/15

冬になるとインフルエンザが流行りだします。
実際に、14歳以下のお子様の罹患率は、
2014年度統計で全体の52%
となっています。
小さなお子様をもつ保護者の方は、特にご心配されていると思います。

インフルエンザの予防にインフルエンザワクチンがあります。
しかし、予防接種してもインフルエンザになる方もいます。
さらに、副作用の心配もあります。
お子様の年齢が幼いほど、ご心配は大きいと思います。

そこで、今回は、
1、インフルエンザ予防接種の必要性
2、幼児のインフルエンザ予防接種の副反応
3、幼児のインフルエンザ予防接種の時期と他のワクチンとの間隔

について、まとめてみました。

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インフルエンザ予防接種の必要性

まず、インフルエンザ予防接種の有効性についてです。

インフルエンザ予防接種をしても、インフルエンザにかかる人は身近にいます。
これでは、予防接種する意味がないじゃないかと思う方も多いでしょう。

北里第一三共ワクチン株式会社によると、
流行株の予測が当たった時の有効性は70~90%といわれています。
これは健康成人で調べられたものであり、
型別にみるとA型の有効性は80%前後で、
B型は一般的にA型より低く50%前後と報告されています。」

また、厚生省ホームページでは、
「ワクチンについて、感染を完全に阻止する効果はありませんが、
インフルエンザの発症を予防することや、
発症後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。
乳幼児のインフエルエンザワクチンの有効性に関しては、
報告によって多少幅がありますが、概ね20~50%の発病防止効果があったと報告されています。
また、乳幼児の重症化予防に関する有効性を示唆する報告も散見されます。」
と、あります。

これらは、、
予防接種してもインフルエンザを発症してしまう人がいることを示しています。

完全にインフルエンザの発症を予防することは、
現代医療では難しいようです。

ここで、インフルエンザワクチンの目的を確認しましょう。
1、インフルエンザ発症の予防
2、インフルエンザにかかってしまった場合の重症化の予防

があり、大事なのが、2の重症化の予防ということになります。

インフルエンザの重症化で怖いのが、インフルエンザ脳炎です。
特に、6歳未満ではインフルエンザ脳炎の発症率が、
他の年齢層よりも断然高いです。
インフルエンザ脳症とは、
生命に危険が及ぼしたり、後遺症が残ったりする事があるような怖い病気です。

予防接種が行われだした現代では、
全国で、年間数名から10数人の発生に留まっています。

このことは、インフルエンザ脳炎の発症予防に、インフルエンザ予防接種が有効である可能性が高い事を示しています。

このことから、
インフルエンザ発症の可能性はありますが、重症化による入院や生命の危険を回避できる可能性は高く、予防接種は有効であるといえます。

ちなみに、インフルエンザワクチンについてですが、2016年度までは、3種類(対A、対A、対B)が含まれたワクチンでしたが、2017年度より、4種類(対A、対A、対B、対B)が含まれたワクチンとなっています
近年、インフルエンザB型の流行が2系統のウイルスが混合しているからとのことでした。

4種類の型に対応するということですから、効果を期待したいものです。

インフルエンザ予防接種の副反応

まずは、副反応報告例についてです。

平成25年度(平成24年~25年シーズン)の
インフルエンザワクチンの副反応報告例は、
医療機関からの届け出として
副反応269例(0.0005%)うち重篤84例(0.0002%)うち死亡9例(0.00002%)でした。
その中の年齢別内訳として
 0~9歳 副反応81例 うち重篤27例 うち死亡1例
 10~19歳 副反応25例 うち重篤6例 うち死亡0例 でした。

専門家の見解では、
死亡例の1例以外は、インフルエンザとの関連はないとのことです。
副反応で一番多かったのが、過敏症含む全身症状、神経系症状でした。

確率で考えると、本当に低い値となります。
でも、もしかしてうちの子が。と、考えると、予防接種することを判断するのが怖くなりますね。良く考えて決めましょう。

次は、副反応についてです。

インフルエンザ予防接種は、弱毒性のウイルス(病原性をなくしたもの)を体に入れて、
身体に「異物」と認識させて免疫反応を起こさせ、
抗体(菌が侵入してきた時に働く戦士のようなもの)を作る反応を起こすことが目的です。
この抗体ができる仕組みは、一種のアレルギー反応となります。
このアレルギー反応による症状(副反応)が、全くでない方、弱く出る方、強く出る方と様々です。
また、ウイルス自体が悪さをして副反応を起こす場合もあります。

注射して30分以内程度に出てくる副反応

 ・アナフィラキシーショック
   口内の違和感がある、呼吸しづらい、呼吸困難、くしゃみ、
   喘鳴(呼吸音がヒューヒューする)が出る
   顔面が紅潮する、熱感がある、
   吐き気がする、嘔吐する、血圧が低下する、めまい

   →最悪の場合、血圧が低下します。
    呼吸の異常、口内のかゆみなど自覚された場合は、
    緊急で医療者に伝えてください。
    然るべき処置で、血圧の低下や呼吸の異常は対処できます。
    注射後30分程度は病院内にいてください
    (会計などしていても問題ありません)

 
 

注射した直後から数日以内に出てくる副反応

  受診が必要な場合とそうでない場合があります。

 ・過敏症(2~3日以内におさまる)
   皮膚:発疹等、じんましん、湿疹、かゆみ
   全身:発熱、悪寒、倦怠感(だるい)、一過性の意識消失、めまい、リンパ節が腫脹、
   消化器:嘔吐、嘔気、腹痛、下痢、食欲不振 5~10%の方に起こります。

   →症状がつらければ、受診しましょう。
 

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 ・局所症状:注射を打った部位におこる(1~6日以内におさまる)
   発赤がある、腫脹する、硬結がある、熱感がある、疼痛がある、
   小水疱ができる 10~20%の方に起こります。

   →基本、受診が必要になる方はいません。
    臨床で感じることは、この症状は半数程度には出現します。

   
 ・神経系障害
    顔面神経麻痺等の麻痺がある、頭痛、失神、しびれ感、振戦

    →受診しましょう。

 ・消化器症状
   嘔吐、吐き気、腹痛、下痢、食欲不振

   →2日以上続く場合は受診しましょう。
    遅くなると、脱水になり入院が必要となる場合もあります。

 ・筋・骨格系症状
   関節痛がある、筋肉痛になる、筋力が低下する

   →筋力の低下がある場合は、受診しましょう。
   →関節痛、筋肉痛が段々ひどくなったり、1週間続くようなら受診しましょう。

 ・眼障害
   ぶどう膜炎(視力低下、飛蚊症:目の前にゴミのようなものが見える、痛み、充血)

   →受診しましょう。

  

注射した直後から数日にかけて出てくる副反応(通常28日以内)

   医療機関での治療を要す場合が多いです。受診は必ずしましょう。

 ・急性散在性脳脊髄炎
   発熱、だるい、頭痛、悪心、嘔吐等、
   その後、髄膜刺激症状(頭痛、嘔吐、項部硬直、発熱)
   片麻痺、失語、運動失調、四肢麻痺、昏睡等

 ・ギラン・バレー症候群
   末端から順に両手両足の力が入らなくなる、手足がしびれる、
   寝たきりになる、呼吸困難等

 ・肝機能障害
   だるい、食欲低下、吐き気がする、黄疸がでる等
 
 ・喘息発作
   息切れする、せきがでる、ヒューヒュー鳴る、息苦しい等

 ・血小板減少性紫斑病、血小板減少
   皮膚や粘膜等の出血症状や紫斑(しはん)や青アザがある、
   歯ぐき出血、鼻血、黒い便がでる、血尿等

 ・血管炎
   発疹足や腕に紫色や赤いアザができる、だるい、発熱、血尿等

 ・間質性肺炎
   発熱、咳がでる、呼吸困難、動悸、息切れする等

 ・脳炎・脳症
    発熱、吐き気、嘔吐、意識障害、言語障害、記憶障害、ふらつく、
    けいれん、反応が鈍くなる、昏睡等

 ・脊髄炎
   胸から下のビリビリしびれ感がある、背中や腰が痛む、両足に麻痺がある
   排尿障害、排便障害、四肢の麻痺、四肢の感覚異常等

 ・視神経炎
   片眼または両眼の急激な視力の低下、見ようとする部位が見えない、
   眼球を動かすと目の奥が痛む、視野全体に霧がかかる等

 ・皮膚粘膜眼症候群
   皮膚がまだら模様に赤くなる、水ぶくれ、発熱、関節痛、目の充血等

 ・ネフローゼ症候群
    尿が泡立つ、むくみ(まぶた足の高度なむくみ)胸水(呼吸困難、咳)
    腹水、心嚢水(呼吸困難、動悸、吐き気等)、体重増加等

 などの副反応があります。
 調子が悪いなと感じた場合は、上記を参考にして、医療機関を受診するようにしてください。
 繰り返しになりますが、受診が必要になる程の副反応はまれです。
 

インフルエンザ予防接種をする時期、他のワクチンとの間隔

接種時期について
 ワクチン接種後2週間から5カ月ほどがワクチンの効果があります。
 それを考えると、11月中旬あたりにまでには行うのが良いでしょう

接種回数について
 生後6か月~3歳未満 1回0.25ml ×2回
 3歳~13歳未満    1回0.5ml  ×2回
 13歳以上       1回0.5ml  ×1回 となっています。

※しかし、近年、3歳以上は成人と同量の薬液量であり、1回接種と2回接種で、効果に明らかな違いがないという研究報告例もあります。
 インフルエンザワクチンの添付書類では、2回目の接種で3歳以下は明らかに抗体価が上昇していますが、3歳以上では、10%未満でした。そのため
 病院によっては、1回接種で良いと判断する先生もいるようです。

他のワクチンとの間隔
 生ワクチン:接種後は4週(中27日)以上の間隔をあける
        ロタウイルス、BCG、MR(麻しん風しん混合)
        おたふくかぜ、水痘(みずぼうそう) など

不活化ワクチン:接種後は1週(中6日)以上の間隔をあける
(トキソイド含) B型肝炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合(DPT-IPV)
三種混合(DPT)、ポリオ(IPV単独)、日本脳炎
インフルエンザ、HPVなど

なお、インフルエンザ予防接種の1回目と2回目は1~4週間空けます。出来れば4週間あけた方が、免疫がつきやすいとのことです。
また、同時接種も種類問わず出来ます。
担当医とご相談ください。

まとめ

今回、幼児のインフルエンザ予防接についてまとめました。
インフルエンザの有効性は、高確率ではありませんが、
インフルエンザの合併症による重症化を、
軽減することには貢献していると感じています。
副反応の確率よりも、合併症重症化の確率の方が高いのも事実です。
私は、医療現場で働く現役19年目の看護師です。
経験上、インフルエンザで入院してくる患者さんはいても、
副反応で入院してくる患者さんはみたことありません。

私個人の意見ですが、やはり意味があって生まれた予防接種です。
副反応よりも合併症の方が気になります。
うちの子供は、幼児ですが、受けさせています。
うちは、3歳から1回接種のみとしています。
インフルエンザにはかかっていません。
予防接種することを、判断するのは、保護者です。
どちらを選択しても良いと思います。
実際、予防接種の副反応もインフルエンザによる合併症の重症化もまれなことです。
ただ、後悔はしないようにしっかりと考えて決められるといいと思います。
あの時、こういう理由でこう決めたっということであれば、良いと思います。
何も考えずに、予防接種をしたりしなかったりすると、
何かが起こった時、ご自分を責めてしまう可能性があるだろうなと思います。
そうならないために、しっかりと相談したり調べたりしましょう。
そのお手伝いが少しでもできるように、今回の内容としました。

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